ツール・ド・北海道第6ステージ

今日はいよいよ最終日。レース記録としての完走は間違いないが、今日のクリテリウムでも最後まで完走したい。
レースは9時スタート。朝、7時半にホテルを出発し、監督と自分、西その選手、それからサポートのOBは車で会場に向かう。他の学生は自転車で会場へ。OBの恒松さんによると、モエレ沼公園イサム・ノグチの設計で廃棄物処分場跡地に数年前に完成した人造の山、オブジェなどが配置された公園だそうだ。
西薗選手がウォーミングアップしていると今朝も柳沼さん、池田さん、太田さん、尚之君が応援に来てくれた。
天気は快晴。さわやかな日だ。
スタートとともにレースはハイペースで進む。2.6kmのコースを22周するレースである。総合成績の1位のメイタンGDR宮澤君と2位のVanVlietのVanLeijenとの差が1秒差で、22周のクリテリウムのうち、6、10,14,18周目にホットスポット通過順位の1位に3秒、2位に2秒、3位に1秒のボーナスタイムが与えられ、,22周目は10秒、6秒、が与えられるので、レース中に総合成績が十分にひっくり返るのである。メイタンとVanVlietのスプリント合戦になるのか?、あるいはそこにつけ込んだ他チームの逃げが決まるのか?。最後までどきどきの展開である。集団から飛び出そうとする選手が何人かいるが、どれも決まらない。
隣にいた女性から、東大チームの方ですか?、と声をかけられる。北大で準教授をつとめる東大自転車部のOBの方で、一緒に西薗選手を応援する。
1回目のホットスポットでは猛烈にスピードが上がった集団が飛び込んできて、宮澤君が3位となり1秒のボーナスタイム獲得。

2回目、3回目のホットスポットは宮澤君とVanLeijenの一騎打ちで、どちらも宮澤君が1位を取り、これで3秒差まで広げる。

どうやらスプリントに関しては宮澤君の方が一枚上手のようである。このまま宮澤君の優勝は堅そうである。このホットスポット通過のたびに集団は猛烈にスピードが上がる。集団はそのたびに中切れがおきたりくっついたりで、集団後方でブレーキングと猛ダッシュを強いられる西薗には苦しい時間帯である。2回目のホットスポットで(10周)で、メイン集団から離れた西薗を含む小さな集団が一旦離れてしまうが、次のホットスポットの直前でようやくメイン集団に追い付く。が、もうすぐに次の3回目のホットスポットである。ついにここで西薗は離れてしまう。ラバネロのホジェリオと平塚の二人と一緒である。どちらも実業団では積極的な走りで有名な選手である。集団のスピードは猛烈で、後ろについてるだけでも苦しいのに、一旦離れてしまったらもう追い付く事は無理である。
あとはこの3人で、22周が終了するまでにメイン集団につかまらないよう2.6kmのコースを8周持ちこたえるのみである。15,16,17,18,19,20周と西薗とホジェリオは差を詰められながらも持ちこたえる。レースアナウンサーが何度も「この最終ステージまでつないできた東京大学の西薗良太が今横切っていきます」と名前を呼ぶ。
あと1周!、ステージ優勝とU23のリーダージャージを奪いたいチームが一丸となった高速の逃げ集団が襲いかかってくる。次にこのフィニッシュ地点を西薗達が通過できれば完走である。しかし、ついに西薗とホジェリオは現れず、逃げ集団のゴールスプリントが始まった。あー、あと少しだったのに!
記録では、20周目にはいったところで彼のレースは終了。非常に残念だが、よく走った。
本人はさぞかし悔しいがっているかと思ったが、ぎりぎりまで持ちこたえた事を素直に喜んでいるかのように晴れやかであった。