ツール・ド・北海道第3&4ステージ

2009/9/13(Sat)
天気は快晴。午前中は帯広市内での1.6kmの個人TT,午後は116kmのロードレース。唯一残った西薗選手の出走は9:28分。
コリマのホイルを組み付けても、ディレーラーのトップの調子がおかしい。11Tにしたのでディレーラーとスプロケットが近づきすぎているようなので、ディレーラーを起こすよう調整したががそれでもおかしい。とりあえずTTではトップを使わないので、レース後にシマノニュートラルサポートに頼む事にする(エンドが曲がっていた)。
TTはアンカーの飯島選手の次。タイムは2min31secとトップの盛選手から12秒遅れの55位。今日は更にチームのOBが増え、サポートしてくれる。

午後のロードレースが始まる前に、一足先にサポート隊(サポートスタッフ&リタイヤした選手&OB)は出発する。
チームカーで監督と西薗選手と話しをしていると、Nippoの佐野君がやってきて、予想されるレース展開を話してくれ、西薗選手にアドバイスをしてくれた。次に鹿屋の黒川監督がやってきて「僕らも初めて参加した時は一人になったよ」と話してくれ、いろいろとアドバイスをくれた。

午後のロードレースは帯広川のTTコース脇から13:00スタート。
市内のあちこちで応援してくれる人がいて、こちらも車内から手を振る。
アタックが頻発して、集団は一列になって伸びたり縮んだりしている。
最初の登りが終わり、アップダウンが始まる頃に集団落車発生のアナウンス。急な下り坂である。車輪を持って駆けつけると、順天の選手が道路上で倒れている。西薗は大丈夫だと安心して車に乗って走り出すと左の道路脇にジャージの破れた西薗が立っていて、韓国の選手に怒鳴っている。後からわかったが、70km/hの高速で落車し、道路から落っこちていて気づかなかったのだ。ホイールを持って走っていくと、「メガネ、メガネ」と叫んでいる。急いで車内からメガネを持って本人に渡し、自転車を調べると、奇跡的に異常はない。看護師が血だらけの腕を治療しているが、本人は「やめろ、走るんだ」。看護師が「走るの!?」。怒鳴っている本人に、「包帯そのままだと車輪にからまる」と話し、片腕だけ治療して、走り出す。ジャージもパンツも破れ、右腕は治療していないので血だらけ。
まずは「焦るな、残りの距離一杯使って追い付くからな」と話して落ち着かせ、カーぺーサーで引き出す。
チームカーからできる限りの事全てをやって、25分かかってようやく集団が見えてきた。どうやら追い付く事ができた。先頭集団からは12人の逃げが決まって、比較的安定していたのも幸いした。
まもなく集団は狩勝峠への登りに入ってゆく。中腹を越えた当たりから集団につけなくなった選手が落ち始めてくるが、西薗はいない。集団内に残っているようだ。KOMポイント付近で池田さん、柳沼さん、太田さんに手を振る。
遅れている15人ほどの集団がいるが、この中にも西薗はいない。
後はトマムまでの下りと登りだ。交通規制で止められている人達が多くいるが、皆楽しそうにレースを応援したり、車から降りて写真を撮ったりしていて、イライラしている人は殆どいないのはなんだかうれしい。

レースは逃げていた12人のうち、野寺(シマノ)、阿部(北海道選抜)、井上(Nippo)の3選手が30秒で逃げる展開になっている。最後まで残った井上選手の逃げ切り勝利を祈ったが、残念!、ゴール手前1kmほどでつかまってしまう。レースは集団でゴール。
西薗は怪我にもかかわらずこのメイン集団でゴールできた。落車で怪我をして、なおかつ大きく遅れてもあきらめずに走り続けてレースに復帰し、メイン集団でゴールした彼のガッツには感服した。
明日へのダメージが最小限ですむ事を祈る。